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カリ⋯
⋯カリカリ⋯カリ⋯




だらしなくベッドに倒れ込んだままうとうと微睡んでいると、玄関のドアからなにか物音がした。
外で何かを引っ掻くような音がする。

恐る恐るドアを開けると⋯









「⋯ニャーン」


「⋯猫だ!」









小さな黒猫が1匹、ドアの下の方を引っ掻いていた。

首輪は付いてないけど、毛並みが良くてちゃんと手入れされているような感じだった。
どこかから迷い込んできた飼い猫なのかな?
それにしても⋯









「ンニャー」


「かぁわいい〜⋯!」









足元に擦り寄ってくる猫の背を撫でる。
なんて可愛らしい⋯
この辺りは鳥とか狐とか兎とか野生の動物は沢山いるけど、野良猫とかは見ないからちょっとワクワクした。

潤んだ大きな目をこちらへ向ける猫。
そのまま抱き上げて、話しかけた。









「あなたはどこから来たの?」


「ンニャーン」


「本当に可愛い⋯お腹空いた?」


「フニャーン」


「可愛い〜!」









猫にメロメロになっちゃった私。
昨日の悪夢をすっかり忘れて、猫を家に入れた。
飼い主さんはきっとこの子を探しているに違いない。外でなにか危険なことがあったら怖いから、と猫を家で見ることにした。

ミルク、まだあったかな⋯









「ニャー」


「よしよし、ちょっと待っててね。」









猫を下ろすと、ミルクと皿を取りに台所へ向かった。

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作者名:ねむり | 作成日時:2020年1月27日 2時

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