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どれくらい走っただろうか。走り続けて何度太陽をその目に拝んだだろうか。
目の前の景色は全く知らない土地。森のような場所だった。
⋯腹が減った。
いつから食べ物を口にしてないだろうか、いつから水を口にしてないだろうか。
このままだと本当に死んでしまう。
フラフラと歩き続け、私は気づけば色鮮やかな薔薇が咲く場所まで来ていた。
「⋯綺麗⋯」
生まれて初めて美しい風景を見た気がした。空気が澄んで、花々もいきいきと咲き誇っている。
そんな中で腹の虫が怒鳴り声を上げるかのごとく鳴いた。
腹が減った。
食えればなんでもいい。虫でも草でも花でも。
虚ろな目で色彩豊かな薔薇の1つをそっと手にとり、そのままもいで食った。
薔薇の味がした。だけどなぜか砂糖を振りかけたように甘くも感じた。まともな飯を食ってなかったからか、遂に舌がおかしくなったのだろう。
でももうなんでもよかった。自分の腹を満たすものがあれば。
もう1つ、と薔薇に手を伸ばした時だった。
「なんか臭うと思ったら⋯薄汚ねぇガキがここで何してる。」
「⋯!!」
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ねむり(プロフ) - Rare fruitさん» ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!!こっちは感覚を開けて大量に更新していくので少し間が空きますが両方とも頑張っていくので楽しみにしててください!! (2020年9月27日 23時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
Rare fruit(プロフ) - すごく面白いです!設定がしっかりしていて、すごいなあって思っています。満月愛想曲も読んでいます。両作品とも続きが楽しみです更新頑張ってください! (2020年9月26日 23時) (レス) id: 362d8b3af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/
作成日時:2020年9月19日 2時