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だけどよくみたら、違う声も聞こえてきたんだ。









「お、お願いします⋯」


「無理だって言ってんだろ!ほか当たってくれ!」


「そこをなんとか⋯」


「しつこいんだよ、しっしっ!」









見るからに痩せ細り、まるで使い古した雑巾のようにボロボロで薄汚い服を着ている人が商人に話しかけて、蹴飛ばされていた。
多分、物乞い⋯だな。









「なんだあれ⋯」


「物乞いしてるんだよ、あの人。」


「それはわかる。何であんなことしてんの?この国黄金の街なんでしょ?」


「全員がこういう豊かな暮らしをしているわけじゃないんだよ。」









圭人はそう言うと、さっきの痩せ細った人の元へ駆け寄った。









「⋯僕はこれくらいしか出せません。それでも良ければ持って行って下さい。」


「あ、ありがとう⋯神様、ありがとう⋯!」









持っていたカバンから小さなパンと少しの金を出して渡すと、痩せ細った人は涙を流しながら圭人を神様と崇め続けて去っていった。









「これがこの国の現状だ。国民全てが豊かな生活をしているわけじゃない。むしろ、今みたいな人の方が多い。こうやって街のど真ん中で商売しながら普通に生活してる人はほんのひと握りしかいない。」

「貧富の差激しすぎるだろ⋯。じゃあ何故ここの人達はその現状を知りながら何もしてやらない?黄金の街っていうくらいだから、多少宝石の一つや二つくれてやったっていいだろうに。」

「そう、ここまで差が激しいと1人くらいはそういうことをしようとする善人はいるもんだよ。でも⋯」

3→←2章 黄金の街



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ねむり(プロフ) - Rare fruitさん» ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!!こっちは感覚を開けて大量に更新していくので少し間が空きますが両方とも頑張っていくので楽しみにしててください!! (2020年9月27日 23時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
Rare fruit(プロフ) - すごく面白いです!設定がしっかりしていて、すごいなあって思っています。満月愛想曲も読んでいます。両作品とも続きが楽しみです更新頑張ってください! (2020年9月26日 23時) (レス) id: 362d8b3af6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/  
作成日時:2020年9月19日 2時

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