新月幻想曲-Fab-4 (ページ39)

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光「すごい⋯⋯⋯⋯さすがだ⋯。」

「な、何が⋯⋯⋯⋯⋯」

光「君があまりに特別だってこと。」

流れる血を食らいつくように舐めとっていく。
噛まれてるわけじゃないのに、傷口がジンと熱くなって変な感じ。

たまに当たる鋭い刃が背筋を冷たくさせていく。
怖い。
のに皆さんのことを強く拒否できない。

私の感覚はおかしくなってしまったのだろうか。

光「イ⋯⋯」

「⋯？」

光「だめ⋯⋯まだ足りないから⋯。」

段々私自身も力が抜けてきたからその手をそのまま解いてしまおうかと思った。
だけど甘えるように切なげに囁くその声に私の心臓はどくんと大きく高鳴った。

どうしてそんなこと言うの。
私、全然抵抗できなくなる。
私、どうしてしまったの⋯？

光「っ、ん⋯⋯⋯⋯ご馳走様。」

「⋯⋯。」

光「顔、赤いよ？」

この時、今まで私の知らなかった感情が既に成熟していることを自覚はしていなかった。
ただ火照る頬と高鳴る胸に戸惑いを隠せず一刻も早くこの場を立ち去りたい気持ちでいっぱいだった。

光「意地悪しすぎちゃった？ごめんね。」

「あ⋯⋯え、っと⋯。」

光「絆創膏、貼るね。」

血の止まった傷口に絆創膏を貼ってもらった。