新月幻想曲-Fab-4 (ページ17)

今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:7,293 hit

106 ページ17

私を呼ぶ声が聞こえた。
そこには薮さんが必死の形相でこっちに向かってきていた。
そしてその後ろから髙木さんも続くようにして来た。

宏「ごめんね、大丈夫？大ちゃんは？」

「あ⋯私は大丈夫です。有岡さんが目を覚まさなくて⋯。」

雄「代わる。有岡くんこっちに渡して。」

「すみません⋯ありがとうございます。」

裕「ちょ⋯⋯⋯⋯薮くんも髙木くんも速すぎ⋯⋯⋯！」

侑「はぁ〜⋯⋯⋯疲れた。」

有岡さんの体を髙木さんに預けた。
そしてさらに後ろから中島さん、伊野尾さん、山田さん、八乙女さん、知念さん。
全員勢揃いだった。

わざわざ駆けつけてくれたんだ。なんだか⋯申し訳ないな⋯⋯⋯⋯。

慧「大ちゃんが急に倒れるとかそれって⋯。」

光「⋯⋯⋯っ！？血の匂い⋯⋯」

八乙女さんは随分鼻が効くのだろう。
近辺に残る血の匂いを感じ取り、それが誰のものなのかまで認識していた。

光「⋯⋯Aちゃんのだね⋯⋯大ちゃんにやられた？」

「あ⋯⋯はい⋯⋯⋯。」

私はさっきまでの出来事を皆さんに伝えた。
私が話終えると皆さんは何やら考え込むようにして黙った。