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涼「暗っ⋯⋯結構雑に装置片付けてあるんだな。足元気をつけて。」
「うん。⋯なんか急に現実味感じるな。」
さっきまで演目で使われていた大道具が立ち並び、小道具も乱雑に片付けられていた。
華やかなショーも裏はこんな感じか。
⋯⋯⋯ん?
涼「なんか」
「シッ!」
涼「⋯?」
「⋯誰かいる⋯。」
舞台袖まで来ると微かに人の話し声が聞こえた。
幕の隙間から声の主を探す。
『⋯こちら代金、性能が良さそうなので上乗せしておきました。』
『Thank you.ありがとうございますミスター。私の"作品"有効活用してください。』
『ええぜひとも。』
『どうぞこれからもご贔屓に。』
誰もいない舞台の真ん中で、男達がひそひそと話している。
1人は身なりのいい金持ちそうな男。
もう1人は団長だった。
団長の傍らには大きな檻。人一人が余裕で入れるサイズの檻だ。
⋯その中にはさっきパフォーマンスをしていた演者がいた。
舞台で見せていたのと同じ笑顔を貼り付けたままだ。
演者の入った檻は男の従者によって運ばれ、彼らはそのまま外に出た。
その間演者は抵抗すること無く、ただ笑顔を絶やすことなく檻の中でじっとしていた。
涼「⋯⋯⋯⋯なんだよこれ⋯。」
「まさか⋯人身売買か?」
涼「おいおい⋯やばいもの見ちゃったな⋯⋯⋯⋯。」
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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/
作成日時:2022年10月16日 23時