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侑「⋯。」
侑「⋯音も立てずに入ってきて、何の用?」
「バレたか。」
侑「あんまり見くびらないで欲しいんだけど。」
目が覚めた次の日、私は侑李のいる菓子の桃源郷の城に向かった。
侑李は自室に篭っていると言うので兵士達には内緒にしてもらって城に入った。
侑李は部屋で何かを書き留めているのか机に向かっていた。
足音を立てずに入ったつもりだったけど鋭いことにすぐにバレてしまった。
侑「誰かから聞かなかったの?僕謹慎中なんだけど。」
「聞いたよ。でも誰にも会うなだなんて言われてないだろ?」
侑「⋯屁理屈。普通会いに来ないよ。」
不機嫌そうな素振りを見せる侑李は再び机に向かった。
しばらく何となく気まずい沈黙が続いた後、先に口を割ったのは侑李の方だった。
侑「⋯ごめんね。」
「何が?」
侑「僕を元に戻すために使った魔法でAが3日間寝たきりになっちゃったし、助けてもらう為に色々動いてたって聞いたから⋯すごく迷惑かけたから。」
「迷惑?誰が言ってた?そんなこと。」
キョトンとした侑李の頬をぺちんと挟んだ。
侑「いてっ!」
「誰がそんなこと言ってた?」
侑「いや誰も言ってないけど⋯」
「だろうな。誰も迷惑だなんて思ってないからな。仲間を助けるのなんて当たり前だろ?別に騙されたのが侑李のせいだなんて誰も責めて無いんだし、もうそんなズルズル引きずるな。」
侑「でも」
「いいか?」
侑「⋯はい。」
「で、まぁそんな話しに来た訳じゃないんだよ。」
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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/
作成日時:2022年10月16日 23時