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団長は意気消沈した。
裕翔が兵を呼んでくれたようで、団長の身柄は一旦雪華の山で預かることになった。
凶悪犯であることと牢獄から脱走したことによって今回はかなりの刑を覚悟しないといけないだろうな。
















「侑李、」


侑「!」
















今回の1番の被害者に目を向ける。
侑李は相変わらず申し訳なさそうにして目を合わせなかった。


















「あんたの体を元に戻す。その代わり約束してくれ。もう二度と一人で何とかしようとするな。私達は一人じゃない。それを私に教えてくれたのはあんた達だろう?」


侑「、」


「うん。それでいい。」
















珊瑚の色が輝く尾鰭に杖を向ける。
ごめんフィオーラ、私はあの魔法をまた使わせてもらう。
大切な仲間の為に。
















十三番目の祝言(トレヂ=チェラブリエ)、⋯侑李がかけた黒魔術は白紙に還る。」
















冷たい空から暖かな光と白い花弁が降り注いだ。
それはこの冷えきった地域に春の訪れを感じさせるような奇跡。
















宏「すごい⋯⋯⋯。」


光「綺麗⋯!」


雄「雪、じゃない⋯!?」


圭「なんかあったかいね⋯!」


裕「美しい景色だ⋯。」
















春風のように柔らかな風が白い花弁を引き連れて侑李の足を包む。
包み込まれた場所からは人間の足が現れた。
















侑「あ⋯僕⋯⋯!!」
















侑李の声も元に戻った。
使っていないものに払う代償など無いのだから、取り返して当然だ。

やがて暖かな光は消えて、奇跡の過ぎ去りと共に侑李が完全に元に戻ってきた。
水の中で揺蕩う侑李では無い、自らの足で立つ侑李の姿に皆安堵の息をついた。
特に涼介はずっと心配してたから心底安心したようでその場に座り込んでいた。
あ⋯これは、来たな⋯。
















「じゃ、あと頼んだ。」


侑「あ、えっ!?」

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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/  
作成日時:2022年10月16日 23時

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