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目を閉じると暗い世界。
瞼や目元を筆が撫でる。時折トントンと優しく叩くような感覚もあった。

そして唇に艶っと濡れた感触が当たる。
口に紅でも引いてるのかな。


そして顔の近くから気配が消えると背後に気配を感じた。

しばらく何もされない時間があった。

目を、開けてもいいのでしょうか⋯


ちらりと薄目を開けると同時に
首筋をするりと何かが撫でた。









「ひゃっ!」


「ごめんなさい、手元が当たっちゃいました。髪、セットしますね。」









驚いた拍子にぎゅっと目を瞑る。
目を開けるタイミングをもう逃してしまった私は結局最後まで目を開けなかった。









「もういいですよ、目開けても」









目を恐る恐る開けるとそこにはメイクアップされ、髪型もパーティ仕様に華やかにお上品にセットされた自分がいた。

まるでお姫様。
お化粧なんかしたこと無かったから、鏡に映る自分が自分なのに、自分じゃないみたいに変身している。

⋯すごい。









「お気に召していただけましたか?」


「はい!ありがとうございます。えっと⋯い、いのちゃん、さん⋯?」


「ぷっ⋯」









吹かれた。
うーん、名前知らないしなぁ⋯。
あれ、そういえば今までの人の名前も知らない⋯。









「伊野尾です。伊野尾慧。」


「あっケイ⋯さんですね。ありがとうございます。」


「お綺麗ですよ、Aさん。」









ボンッとまた顔が赤くなる。
恥ずかしい。
ここまで褒められるのは。
きっとこの方たちは女性は全員お姫様として扱えと教育されたのかもしれない。









「さぁ戻りましょう。」









ケイさんが私の手を取りエスコートする。
本当に素敵な男性。

私はパーティの華やぎと自分が変身した喜びで完全に浮き足立っていた。





______彼が影で悪どい笑みと舌舐めずりしていたことにさえ、気づかないくらいに。

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ねむり(プロフ) - PINK_zarame1130さん» ありがとうございます*(^o^)/*こんなガサツな脳内妄想で申し訳ないですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです!次の更新まで暫くお待ちくださいm(*_ _)m (2020年1月3日 2時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
PINK_zarame1130(プロフ) - 凄く面白いです! 更新楽しみにしてます笑!完結頑張ってください(^-^)応援してます。 (2020年1月1日 2時) (レス) id: d9cb91b44a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむり | 作成日時:2019年12月21日 23時

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