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ガタンッ!!
と、馬車が大きく揺れる。
車輪が道端の石を踏んでしまったらしい。

おかげで、次の言葉を聞き取ることが出来なかった。









「え⋯⋯今」


「着きましたよ。」


「あ⋯」









いつのまにか、馬車は見慣れた家の前で止まっていた。
もう、帰ってきちゃったんだ。
お姫様気分が終わって、ちょっぴり残念。









「お嬢さん、お手を。」


「あ、ありがとうございます。」









御者さんは最後までエスコートしてくれた。
ぎこちなく、御者さんに差し出された手をとる。
あったかい手だった。









「小さい手だ⋯」


「あ⋯すみません⋯」


「謝ることでは無いですよ。小柄で女性らしく、たくさんのことを頑張ってきた手だ。」


「いえそんな⋯。上手いですね。」


「本心を言ったまでですよ。」









御者さんは玄関までエスコートすると、そっと手を離した。









「ありがとうございました。」


「いえ、それでは私はこれで。」


「はい、夜道も大変危険ですからくれぐれもご無理なさらないでくださいね。」


「とてもお優しい言葉、痛み入ります。」


「⋯あの、お名前、伺っても、よろしい でしょうか⋯」

「⋯裕翔です。」


「⋯ユウト、さん⋯。素敵なお名前です。今日はありがとうございました。」


「こちらこそ、ご利用ありがとうございました。またお会いしましょうね、お嬢さん。」









シルクハットを脱帽し、軽く一礼するとそのまま馬車で元来た道を辿っていった。

暗い夜道、綺麗な馬車、王子様のような御者さん、お姫様のような一時⋯
馬車に乗っただけ。ただそれだけなのに、なんだか物語の主人公になった気分だ。









「絵本、描いてみようかな⋯」









ドキドキを抑えられなくて、私は遂に絵本を描くため筆を執ることにした。


⋯ユウト、さん。優しい男性だったな⋯
また会えるといいな⋯

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ねむり(プロフ) - PINK_zarame1130さん» ありがとうございます*(^o^)/*こんなガサツな脳内妄想で申し訳ないですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです!次の更新まで暫くお待ちくださいm(*_ _)m (2020年1月3日 2時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
PINK_zarame1130(プロフ) - 凄く面白いです! 更新楽しみにしてます笑!完結頑張ってください(^-^)応援してます。 (2020年1月1日 2時) (レス) id: d9cb91b44a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむり | 作成日時:2019年12月21日 23時

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