新月幻想曲-Fab-3 (ページ4)

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朝になった。
結局一晩考えて整理して寝落ちてしまった。
起きたら意外と夢だったオチも期待したけど、首に残った2つの傷が昨日の出来事を現実だと裏付けた。

⋯⋯⋯吸血鬼かぁ。
本当にいるんだ。
もしかしたらペガサスとかもいるんだろうか。
吸血鬼がいるくらいだからツチノコは当たり前にいるだろうな。

とか呑気にそんなことを考えながら支度をした。

首には包帯を巻いた。
別に絆創膏でも良かったけど、首の絆創膏=キスマーク隠しみたいな謎の常識が学生の中で横行してるせいで要らぬ配慮をしなければならなくなった。

別に何も変わってない日常。
皆さんがどんな人なのかがわかっただけ。
それ以外は何も変わってない。
自分に言い聞かせた。

「おはようございまー⋯す。」

相変わらず誰もいない台所に顔を出す。
そもそも夜型だと言っているのにわざわざ早朝なんかに誰も起きてこないか。
私は昨日の惣菜の残りをおかずに朝ごはんを食べた。

⋯うん。美味しい。
この味だけが凄まじい環境の中で過ごす私にほっと息をつかせてくれる。
この味があと少しで食べれなくなるなんて残念だ。

1口ひと口を大切に噛み締めるようにご飯を食べ進めた。