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その後も色んな話を聞いた。
触れられたくないようなことは聞かなかったけど、とりあえずわかったことがいくつか。
吸血鬼の性質というのは史実とは異なる面が多い。
太陽やニンニクや十字架が苦手ってのは嘘。
鏡にも映るし寝る時は普通にベッド。
だけど夜行性で人間の血液が必要なのは本当だし、人間には無い魔法のような能力を持っているのも事実。
伊野尾さんが私にやろうとしてたのは魔眼と呼ばれる催眠のようなものだった。
なぜ私に効かないのかはわからないけど、大抵の人はこれが効いて従うようになるらしい。
⋯まさに魔法だ。
そして、吸血鬼には種類がある。
少なくとも2種類以上。それはさっきの混血という発言から予測したものだけど。
そして1番大事な性質があった。
涼「吸血鬼にとって月はかなり重要なもの。月の満ち欠けによって力や本能が暴走しやすくなる。」
「月、ですか。」
侑「満月と新月は吸血鬼の理性が薄れやすい。だから血への欲望が1番強くなる。特に新月は満月よりも本能的になりやすい。ちゃんと自分をコントロールしないとただの獣に成り下がる。」
ただの、獣。
今ちゃんとお話しているとはいえ、皆さんからしたら私は食べ物と言っても過言ではない。
皆さんがどんなに口ではそんなつもりがないと言っても、月の所為で本能に"待て"ができなくなる時だってあるってことだ。
その性質、神秘的であり恐怖でもある。
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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/
作成日時:2022年5月18日 15時