魔女に花束、女王に刃10

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『明日、愛情の宮殿の大広間までおいでなさい♡素敵なパーティで貴女をおもてなしするわ♡勿論、皆も来てね？私の大切な大切な王子様達⋯』









にやりと浮かべた気味の悪い笑みに何故か寒気が走る。
皆も少し脅えたように息を詰まらせていた。









『勿論貴女が来るまで手は出さないわ♡そんな傷だらけでヘトヘトの体でどうしても私を殺したいなら御相手して差し上げるけど♡』


「ﾁｯ⋯」









ムカつく。本当にムカつくがこんな体であいつとの戦いに挑むわけにはいかない。
さっき魔法で直した傷も完全に治ってはないし、長時間全力で戦えるような体力は残っていない。

悔しいけど今ここで女王と対峙することはできない。









『私も帰ってきたばかりで疲れているの♡お風呂にティータイム、スキンケア⋯やることもたーくさんあるのよ♡だから少し休ませてね？それじゃあまた明日♡皆もゆっくりしていきなさい♡』









そう言い残すとホログラムは弾けて消えた。









「クソ⋯本当は今すぐ殺したいのに！！」


慧「落ち着いて。さすがに今の体じゃ無理だよ。さっきの傷もまだ塞がってないじゃん。」


侑「さすがに疲れたよー！」


大「お腹空いたー！」


「うるせぇ！メソメソ泣いてやがったくせに！」


宏「あー⋯戻ったな。」


裕「ね、いつもの光景だね。」


涼「⋯」


「⋯お、王子もお目覚めか？」


涼「魔女の仔⋯？」


「悪いな、お前のお望み通り死んでやれなくて。」









意地悪するように皮肉ったつもりだったが王子は申し訳なさそうに眉を下げて小さな声で









涼「ごめん⋯」









と謝った。
そこまでなよなよ謝られると思ってなかったので思わずたじろいだ。









「⋯え、いや、そこまで泣きそうになる⋯？」


涼「情けない⋯⋯女王の傍に居たのに女王は全然俺の事を認めてくれなくて⋯それがずっと悔しくてどうしたらいいから分かんなくて⋯」


「はぁ⋯もういいよ。お前が苦しんでるのも充分わかったし。」


涼「ありがと⋯」


「その代わり！」


涼「？」








ｸﾞｫﾙﾙﾙﾙ⋯








「飯！！」

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