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それは私が前に1度裕翔にした話。
菓子の桃源郷で話した昔の逸話だ。
(7章19話参照)

でも皆が皆黒魔術を使うような悪どい魔女ではない。
それにあれは









涼「反論出来ないだろ?どうせ君が大好きな薔薇の魔女も同じようなことをしてたから何も言えないのだろうな。」


「違う!!」


『まぁなんて恐ろしい⋯』


『魔女なんて早く殺しちまえ!』









民衆の非難は一層高まる。
こんな私でも耳を塞ぎたくなる程の痛烈な罵詈雑言の嵐だ。









涼「さぁ、お喋りはお終い。時間だ。」









私の目の前に顔を隠した処刑人が立ちはだかる。
目の前に飾られた立派な大剣を手にし、巨大な刃をぶんと一振。
風を切ってその感触を確かめる。

あまりの勢いに民衆が恐怖でどよめいた。









『なんて大きな剣なんだ⋯』


『あんなもので切られたら一溜りもないぞ。』


『魔女の仔も流石に生き残れまい。』


『これでやっと悪が滅びるぞ。』









⋯馬鹿な国だ。
上の者の言うことを鵜呑みにしてハイハイ言うこと聞いて、自分の意志などまるでない。
駄作の人形劇より哀れで滑稽だ。

処刑人が大剣を構えると、王子がすっと手で制した。









涼「最期に何か言い残すことは?」









にやにやと楽しそうに聞いてくる王子の表情に虫唾が走る。

最期、ねぇ⋯









「⋯最期なんかじゃねーよ。私はこんな所で死んだりしないからな。」


涼「⋯馬鹿な女。」









戯言を、と呆れたように呟くと高らかに言い放った。









涼「──愚かな魔女の仔に制裁を!」









大剣が、首目掛けて振り落とされた。









ゴト⋯







重たい音と共に辺りが静まり返る。
何も言わぬ王子の足元に転がったのは私の首。

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ねむり(プロフ) - 山田なのさん» わー!なのさんお久しぶりです!!大変長らくお待たせしてしまいましたがやっと山田編更新しました!!叫ぶほど楽しみにしていただいて本当に嬉しい限りです(^^) (2021年9月14日 13時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
山田なの(プロフ) - ねむりさん!ご無沙汰しております、、もうほんとにずっと楽しみにしてました!更新された時はさすがに叫びました、、、 (2021年9月14日 12時) (レス) id: 603d1c35e8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむり(プロフ) - れんこんさん» れんこんさんありがとうございます!!優しいお言葉とても心に染みます涙まだまだ続いていきますので待っててください!! (2021年9月13日 3時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
れんこん - これからも体調に気お付けながら頑張って下さい! (2021年9月12日 20時) (レス) id: d97c215a56 (このIDを非表示/違反報告)
ねむり(プロフ) - 美瑠さん» 美瑠さんコメントありがとうございます!そのお言葉めちゃくちゃ嬉しいです(^^)まだまだ頑張らせていただきますので楽しみにしていただけると嬉しいです!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/  
作成日時:2021年9月7日 9時

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