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巨人が動く度にベタベタと黒い絵の具のようなものが落ちる。
辺りの家の屋根や地面、木々を黒く染めていった。
侑「何あのベタベタ⋯うわ、」
慧「うわ、なんか飛んだ。」
ベトリ。
落ちてきた絵の具が跳ねて知念と慧に付いた。
侑「⋯」
圭「大丈夫?ハンカチある⋯⋯⋯!?」
慧「⋯っうぅ⋯⋯⋯」
光「ちょっ、2人とも大丈夫!?なんで泣いてるの!?」
ハンカチを差し出した圭人は驚愕した。
2人はボロボロと涙を流して子供のように泣きじゃくり始めた。
侑「ぅわぁあん!」
宏「どうしたどうした!?」
圭「わかんない!急に泣き出しちゃって⋯!」
光「2人とも大丈夫だよ、どうしたの?」
慧「いたい⋯いたいよ⋯」
光「何が痛い?」
慧「⋯⋯心が痛い⋯⋯⋯かなしくて苦しい⋯!」
ベトリ。
絵の具を零しながら巨人はゆっくりゆっくり歩みを進める。
大「⋯⋯っぐす⋯⋯ぅう⋯⋯」
裕「ちょ、大ちゃん!?」
圭「⋯⋯あ⋯、黒いの付いてる⋯」
いつの間にか大貴の腕にも黒い絵の具が付いていて、大粒の涙を零し始めた。
絵の具に当たらないように慌てて裕翔が王子を回収する。
圭人と光と宏太は悲しい悲しいと泣き続ける3人を宥めるのに手一杯だった。
雄「どういうこと⋯?」
「アレは王子の負の感情と闇の集合体だ。どういう原理かは知らんけどアレに触れたらその負の感情を誰かに移すことができる⋯とか。」
雄「厄介な物には変わりないってことか。」
「まぁそうだな。」
勝手に動く負の感情。
このままではこの国を悲しみと苦しみで埋めることになる。
「雄也、まだ弾残ってる?」
雄「こっちの銃ならまだ数発。⋯どうする気?」
「こっちに気を引く感じで撃って欲しい。」
雄「⋯こっちに黒いの飛んできたらどうするんだよ。」
「それはなんとかする。絶対に守るって約束するから。」
雄「⋯わかった。」
銃を構えて引き金を引く。
数発の銃声が響いた。
弾丸は巨人の体に飲み込まれた。
音と弾に気づいた巨人はゆっくりとこっちを向いた。
ベトリ、ベトリ。
絵の具が飛び散る。
「伏せてろ。
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ねむり(プロフ) - 山田なのさん» わー!なのさんお久しぶりです!!大変長らくお待たせしてしまいましたがやっと山田編更新しました!!叫ぶほど楽しみにしていただいて本当に嬉しい限りです(^^) (2021年9月14日 13時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
山田なの(プロフ) - ねむりさん!ご無沙汰しております、、もうほんとにずっと楽しみにしてました!更新された時はさすがに叫びました、、、 (2021年9月14日 12時) (レス) id: 603d1c35e8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむり(プロフ) - れんこんさん» れんこんさんありがとうございます!!優しいお言葉とても心に染みます涙まだまだ続いていきますので待っててください!! (2021年9月13日 3時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
れんこん - これからも体調に気お付けながら頑張って下さい! (2021年9月12日 20時) (レス) id: d97c215a56 (このIDを非表示/違反報告)
ねむり(プロフ) - 美瑠さん» 美瑠さんコメントありがとうございます!そのお言葉めちゃくちゃ嬉しいです(^^)まだまだ頑張らせていただきますので楽しみにしていただけると嬉しいです!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/
作成日時:2021年9月7日 9時