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慧「A!!」
「⋯なんだよ⋯」
疲れたような声を出しながら、自分の傷に薬を塗っていた。
さっきよりも傷は減っていたが、体力の回復までは出来てないみたいだった。
慧「ごめん。疲れてるのにごめん。だけどお願いがある。」
「お願い?」
慧「この更地に茨を生やしてほしい。」
「はぁ!?」
驚いたように、どこか半ギレで反応を返された。
そりゃそうだ。
更地といえど結構広いし、並の力じゃこの土地全部になんか生やせない。
「そんなの急に⋯!!」
慧「わかってる!だけど間違ってなければ薔薇の魔女の手記はまだ無くなってないんだよ!」
「⋯っ!!本当か⋯!?」
Aは目の色を変えて俺に詰め寄った。
ゆっくりと頷く。
間違ってなければ⋯手記も、屋敷もまだ"ここ"にある!
「⋯信じるぞ。」
慧「⋯うん。」
「ちょっと時間はかかるけど。」
慧「大丈夫。邪魔は全部俺がなんとかする。」
「⋯頼んだ。
杖を握りしめて呪文を唱えたAの足元から茨がボコボコと姿を表す。
その間にもやって来る兵士は俺が次々と弾き飛ばした。
「まだまだ⋯っ!」
茨は更地の中心以外を覆い尽くし、高く高く背を伸ばし始めた。
「はぁ⋯っはぁ⋯っクソ⋯っ!!」
茨が出てくるスピードが明らかに遅くなる。
Aも限界なようだった。
慧「ここまでか⋯」
そう思ったとき、Aの杖から強い光が放たれて茨は勢いよく伸び始めた。
「えぇっ!?な、何!?」
Aにまだこんな力があったなんて⋯。
あまりの光景に追手のことも忘れてその様子に釘付けになっていた。
「こ、これ⋯!?」
「えっ?あ、あら⋯?」
『おい!なんだ!?』
宏「えっ⋯!?」
Aの茨は忽ちここら一体を埋めつくし、浮かび上がったのは茨に覆い尽くされた大きな屋敷だった。
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ねむり(プロフ) - 山田なのさん» なのさんめっちゃ優しいですね...嬉しい...尊敬だなんてそんな恥ずかしいですね!?そんな大したことしてないですよ!?ちなみにワタクシ雄也担でございます。まだ出てこない!! (2021年1月25日 13時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
山田なの(プロフ) - 好きだなんて、、逝けます。はい。ねむりさんのお話は私には到底思いつかないような展開ばかりなので尊敬してます!!体調には十分気を付けて頑張って下さい、!!あ、ちねみに誰担なんですか??? (2021年1月25日 11時) (レス) id: 81d470df78 (このIDを非表示/違反報告)
ねむり(プロフ) - 青空と虹さん» 初めまして!嬉しいコメントありがとうございます!!青空と虹さんが言ったようなお話を目指していたので今めちゃくちゃ嬉しいです!!亀更新で申し訳ないですが、読んでて楽しくなる展開をこれからも綴っていきますので楽しみにしててください!! (2021年1月24日 0時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - はじめまして。初期からひっそりと読ませていただいていました。小さい頃に読んだファンタジーもののお話を読んでるような気持ちで、その頃のワクワク感が蘇ってきます……!読んでいてすごく楽しいです。これからも作者様のペースで更新頑張ってください! (2021年1月23日 23時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむり(プロフ) - 山田なのさん» まじですか!?もうめっちゃ嬉しいです!!そこまで喜んで貰えると書いて良かったって思います(^^)山田さんの所までまだ時間かかるかもしれないですが、もうめっちゃくちゃかっこよく仕上げたいと思います!!なのさん私も好きです!! (2021年1月21日 10時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/
作成日時:2021年1月20日 15時