魔女に花束、女王に刃6

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裕「A？どうしたの黙り込んじゃって、」


「裕翔、ちょっとお願いがあるんだけど。」


裕「何？」


「街の人達が持ってるピンク色の紙袋のお菓子、少し分けてもらって欲しい。本当に少しでいいから。」


裕「ピンク色の紙袋？」


「誰でもいい、とりあえず貰ってそのまま帰ってきて。絶対食うなよ。絶対に！！」


裕「えぇ⋯わかった。」









裕翔はローブのフードを深く被ると部屋を出て街に向かった。
その間に私は調べ物。
フィオーラの手記を開いて頁をバラバラと捲る。
ったく適当なメモばっかり書きやがって⋯









「⋯あった。」









ゴチャゴチャしてて見にくかったけど、1度見た事のあるページだったから割と早く見つけられた。
もう少し見やすくしてくれよ、と文句を吐きながら文章を読む。

間違いない。やっぱりあれは⋯









裕「はぁ〜⋯ただいま。」


「お、早いね。」









タイミングよく裕翔が帰ってきた。
手にはこれまたくしゃくしゃになった紙袋。









裕「はいこれ、貰ってきたよ。」


「ありがと。⋯途中で食べたりしてないだろうね？」


裕「してない！兵に見つかってそれどころじゃなかったし。」


「また追いかけられてたのか。ご苦労なこったな。」


裕「⋯他人事だと思って⋯」









紙袋の中には焦げかと思うくらい真っ黒いブラウニー。
さっき見たものと同じだ。
袋のロゴにはハッピーブラウニーの文字が。









裕「これはなんなの？」


「城で配られてるお菓子らしい。なんでも、食ったヤツが軒並おかしくなってるんだとよ。」


裕「お菓子だけに？」


「！！」


裕「⋯ごめんって。そんな睨まないでよ。」

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