魔女に花束、女王に刃6

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やたら近くでうざい声が響く。
まさか⋯と思いさっき渡されたピンク色のコンパクトミラーをポケットから出して開くと、キラキラとホログラムが出てきて女王を映した。









「皆お久しぶり♡そこの小娘と仲良く元気にしてたかしら？」


大「女王⋯」


裕「やられたね。あのミラーは女王のものだったか。それで鏡を介して俺たちの居場所と本の在処を突き止めた。」


慧「あれを渡したのも女王の手下だろうね。それで兵にも場所が知られてた⋯」


圭「女王に全部ダダ漏れだったんだね⋯。」


「くそっ！ふざけやがって！！」









私は怒りに任せてコンパクトを力いっぱい地面に叩きつけた。
兵は武器を構えて私達にじりじりと近づいた。









宏「屋敷はどうしたんだ？」


「あぁ、あれ？壊しちゃった♡」


「は！？」


光「壊したって⋯！」


「あれは誰にも見られたくなかったの♡屋敷にあるって言ってたけど今の私じゃ探せないし⋯だからちょっと惜しいけど屋敷ごと粉々にしちゃったわ♡」


宏「卑怯な⋯っ」









⋯なんて奴だ。
もう少しだったのに。もう少しで女王の秘密にも、フィオーラの残した思いにもたどり着けたのに。
探すどころか、宏太が隠したっていうその屋敷が無いんじゃ何も出来ない。
しかも周りは大勢の兵に囲まれている。

どうする？どうしたらいい？

焦る自分を必死に抑えて考えた。
でもどうしたって何も出来ない。
ただ真正面に兵に向かっていくことしか⋯









「卑怯なのは貴方達でしょ？私、貴方達を立派に育ててきたのに⋯魔女の仔に唆されて寝返っちゃうなんて、悲しいわぁ⋯」









しくしくとわざとらしく嘘泣きをしてあたかも私が悪者で、自分が悲劇のヒロインかのような言い方をした。

うぜぇ⋯ホログラムじゃなけりゃ確実にぶん殴りに行ってる⋯

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