満月愛想曲 -PARADE-5

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「ハンナ・ベーカリーですか！あそこのパンはふかふかのもちもちでとってもおいしいですよ。白パンやくるみパンなどのシンプルなパンは素材の味がしっかり感じられておいしいですし、サンドイッチやクリームパンなどの惣菜パンや菓子パンも具材にしっかり拘っててすごく」









ｶｼｬｯ








「！！」


「⋯やっぱり好きな物の話をしている時の顔、素敵だね。」









夢中になってパンに着いて語っている途中でシャッターを切られた。
レンズを向けられていることすら忘れて語っていたからびっくりして思わず目を丸くした。

ユウトさんは満足げに笑った。









「ごめんなさい、私ったら子供みたいに⋯」


「いいんだよ。あの馬車の中で話してたみたいに活き活きして本当に好き！って感じの表情が撮りたかったんだ。」


「⋯私、そんなに活き活きしてました⋯？」


「うん、すごくいい笑顔だったよ。」









少し恥ずかしげに目線を下げると、その表情の前でもシャッターを切ったユウトさん。
あまりに恥ずかしくて思わず顔を手で隠す。









「あ、こら隠しちゃ見えないよ、」


「っわ⋯！」


「はい捕まえた」









意地悪っぽい顔で私の手首を掴むとその手を頭上に持っていった。
抵抗できないままいたずらっ子の顔を近づけられて、思わず顔を逸らした。

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