sideT. 24-7 ページ10
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「Aちゃん可哀想だよ!!」
「だから二股してねーよ。お前が変な事言うからだろうが」
サエコのおちょくりにAに文句を垂れても、Aは素知らぬ顔して飯を食い続ける。
やっぱおかしい。
マジでとんでもないバカな事を言い出した。
……けど、二股って何だ?
それは俺の事を言ったのか"佑亮"の事を言ったのかが定かじゃない。
でも俺の身は潔白だし、自分でも呆れるほどAに惚れてる。
って事はつまり俺じゃなく"佑亮"の事である可能性が高い訳で……今日Aの態度がおかしいのはその所為かも。
"佑亮"が二股?
猫女と……誰だ?
え?……マジか?
それってマジで──…
「お待たせ〜。お、Aちゃんも来てたのか」
思考の大半を"佑亮"の二股疑惑に持っていかれ、柊生が来た事に気付いたのはそんな声が聞こえた時で、
「柊生君、草川君が二股してるって知ってた?」
「え!?マジで!?」
早々にリビングに腰を下ろした柊生に、サエコはまだそのネタで俺をおちょくろうとする。
サエコ1人でも大概なのにそこに柊生が加わるとなればとことんおちょくられるのは目に見えていて、
「もう勘弁してくれ」
そう項垂れた俺の頭の中は、やっぱ大半が"佑亮"の事で占められていた。
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時