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sideT. 24-4 ページ7
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直接手でどうにか出来る訳ないのに、そこに手を伸ばし広がる珈琲を集めようとする。
「……落ち着けよ」
そう言いながら珈琲カップを拾い上げ、カップが割れてないか見ながらAの手元に視線を向けると、バカが手でどうにかしようとした所為で、一部分が赤くなってた。
「手。一応冷やして来い」
そう言って台所を指差す俺に、
「いい。大丈夫」
反抗的な態度のA。
やっぱ今日のAはおかしい。
絶対こいつ何かあった。
そんな確信に近い思いを抱いてもその原因が何かは分からず……分かるのは"佑亮"絡みだろうって事だけで、意味不明な行動ばっかするAをどう扱っていいのか分からないまま。
「大丈夫じゃねーよ。冷やして来い」
「いいってば」
「赤くなってんだろ」
「元々赤かったってば」
……そして更には意味不明なこの言動に、マジでムカついてくる。
何があったか知らねーけど俺が心配なのはその手の方で、"佑亮"とどんな事があったかはどうでもいいから、その手を先にどうにかしろ。
そう思う気持ちが目付きを変えて、自分でも分かるくらいにAを睨み付け──…
「Aちゃん！冷やしに行こう！」
俺の怒りに気付いたサエコがAを無理矢理立ち上がらせた。
「草川君！救急箱出してて！」
「はいよ」
台所に向かうサエコは俺にそう言ってAの手を引っ張っていく。
サエコには無抵抗で従うAにまたちょっとだけイラつきを覚えた。
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作者名：ピカ
| 作成日時：2016年6月16日 0時
