sideT. 29-7 ページ46
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これだけ一緒にいて、何かある度に俺を呼び出すAが、マジで"その時"が来たらあっさり俺を忘れられるのかって……俺はまだそれくらいの存在でしかないのか知りたいと思う。
それでも、「無理」だと言って欲しいと願いながら……あわよくば「好き」だと言って欲しいと祈りながら問い掛けた質問は、
「……うん。大丈夫」
泣きそうになるような返事が返ってくる。
胸がギュッと締め付けられたみたいに痛く……息がし辛い。
これだけ一緒にいてもまだ、俺はAにとっての意味のない存在で、とりあえずの"思い出作り"の為だけの存在。
「ならいいけど」
そんな強がった言葉を吐き出しながら、マジで吐きそうになった。
こうして俺に会いに来るのもAにとっては"思い出作り"の1つで、"その時"がくればすぐに"思い出"になる。
……情けない。
どんなに頑張ったところで、Aの気持ちなんか手に入れられる訳がない。
むしろ一緒にいればいる程、"その時"が来た時のダメージがデカい。
それならいっそ、もう会わない方が──…
「──…おいっ」
「え!?なに!?」
俺の声に驚いた声を出したAに、
「時間いいの?」
「時間?」
出て行けって意味の言葉を吐く。
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時