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sideT. 29-7 ページ46

*



これだけ一緒にいて、何かある度に俺を呼び出すAが、マジで"その時"が来たらあっさり俺を忘れられるのかって……俺はまだそれくらいの存在でしかないのか知りたいと思う。

それでも、「無理」だと言って欲しいと願いながら……あわよくば「好き」だと言って欲しいと祈りながら問い掛けた質問は、




「……うん。大丈夫」


泣きそうになるような返事が返ってくる。


胸がギュッと締め付けられたみたいに痛く……息がし辛い。

これだけ一緒にいてもまだ、俺はAにとっての意味のない存在で、とりあえずの"思い出作り"の為だけの存在。



「ならいいけど」


そんな強がった言葉を吐き出しながら、マジで吐きそうになった。


こうして俺に会いに来るのもAにとっては"思い出作り"の1つで、"その時"がくればすぐに"思い出"になる。


……情けない。

どんなに頑張ったところで、Aの気持ちなんか手に入れられる訳がない。

むしろ一緒にいればいる程、"その時"が来た時のダメージがデカい。


それならいっそ、もう会わない方が──…


「──…おいっ」

「え!?なに!?」


俺の声に驚いた声を出したAに、


「時間いいの?」

「時間?」


出て行けって意味の言葉を吐く。



*

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設定タグ:超特急 , タクヤ , 草川拓弥   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時

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