検索窓
今日:11 hit、昨日:23 hit、合計:352,964 hit

sideT. 29-6 ページ45

*



優しくしたいって気持ちがあるのに、優しく出来ない状況に苛立つ。

こんな状態じゃなけりゃ優しくしまくってバカみたいに甘やかして俺から離れられないようにしたいけど、今その時間はない。


そうするには時間が無さすぎて、突き放して寂しさを煽るしか出来ず──…




「なんでそんなに俺の事気にしてんの?」


…──優しくしてやりたいのに出来ない歯痒さから口に出た言葉は、結論を急かす言葉。



まだそんな状況じゃないのは分かってるのに、歯痒さが感情を制御出来ない。


早く俺のものに。
早く俺だけのものに。

そう焦る気持ちに対して、Aが出す言葉は冷たい言葉で、





「……はぁ?」



何言ってんだこいつって感じのその聞き返し方に、しくじったと思った。


それでも……これ以上はダメだと思っても、Aにどうしても聞きたい事がある。

確認しておきたい事がある。


それに対してのAの返事が喩え聞きたくない答えだったとしても、


「お前、そんなに俺の事構ってて離れられんのかよ?」


それだけは聞いておきたかった。



*

sideT. 29-7→←sideT. 29-5



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (119 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
648人がお気に入り
設定タグ:超特急 , タクヤ , 草川拓弥   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。