不機嫌なダーリン。14 (ページ43)

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それでも、

「電源？」

なんてシラを切ってしまう俺は、素直さが全くないんだと思う。

「携帯の！昨日何回もメールも電話もしたのに！」

「携帯？……ちょっとどけ」

珈琲カップをAに渡し寝室に入ると、目の前にあると一晩中気になって仕方ねーからって理由だけでポケットに隠し込んだ携帯を取り出した。

「あー…充電切れてる」

なんて嘘を言いながら充電器に差し込む俺に、

「なんで携帯の電池切れてんの!?」

Aがギャンギャン喚き声を出す。

「なんでって何だよ。なにキレてんの？」

「携帯の電池切れてるかどうかくらいちゃんと確認しておきなよ！」

「何だお前？そんなに大事な用あったのかよ」

そう言いながら、Aが一体どんなメールを送ってきてるのかを確認する為に携帯を手に取りメールをセンターに問い合わせると恐ろしく大量のメールが受信され、

『何で電源切れてるの？』

『どうしたの？』

『くさかわせんぱーーーい』

『おーい！』

『メール見たら返事くださ～い』

メールを見る俺の顔はそれが嬉しくて自然とほころぶ。

それでも素直じゃない俺は、そんな事を悟られたくはないから、

「別に大した事書いてねぇじゃねぇか」

わざとらしく呆れた声を出して携帯をベッドに放り投げた。

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