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sideT. 28-5 ページ37
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そんなAに俺が言うのは、
「昼飯。明々後日は無理」
「あ、予定ある?」
「うん」
「分かった、じゃあ」
「サエコと飯の約束してる」
"駒"を最大限に利用した駆け引きの言葉。
そしてまんまとその罠に掛かったAは、
「え?」
驚いた声を出す。
手応えってほどいいものじゃなくても、Aは"サエコ"ってキーワードに普段より過剰な反応を示す。
それが自分が身代わりにされてる相手だからって思ってるからか、本人が自覚してる以上にその顔が曇る。
「サエコに誘われた」
俺はわざと"サエコ"って名前を出して昼飯を食い始める。
「さ、誘われたの?」
「うん」
「草川先輩だけ?」
「らしい」
「えっと……」
「なに」
「あ、あたしも一緒に行こうか?」
「……なんでだよ」
「なんでって、」
「邪魔すんな」
「……うん。そうだね。……ごめん」
言ってる事もやってる態度も俺の嘘なのにも拘わらず、Aは見るからに落ち込んでるって雰囲気を出す。
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時