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sideT. 28-5 ページ37

*



そんなAに俺が言うのは、


「昼飯。明々後日は無理」

「あ、予定ある?」

「うん」

「分かった、じゃあ」

「サエコと飯の約束してる」


"駒"を最大限に利用した駆け引きの言葉。

そしてまんまとその罠に掛かったAは、


「え?」


驚いた声を出す。

手応えってほどいいものじゃなくても、Aは"サエコ"ってキーワードに普段より過剰な反応を示す。

それが自分が身代わりにされてる相手だからって思ってるからか、本人が自覚してる以上にその顔が曇る。


「サエコに誘われた」


俺はわざと"サエコ"って名前を出して昼飯を食い始める。


「さ、誘われたの?」

「うん」

「草川先輩だけ?」

「らしい」

「えっと……」

「なに」

「あ、あたしも一緒に行こうか?」

「……なんでだよ」

「なんでって、」

「邪魔すんな」

「……うん。そうだね。……ごめん」


言ってる事もやってる態度も俺の嘘なのにも拘わらず、Aは見るからに落ち込んでるって雰囲気を出す。



*

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設定タグ:超特急 , タクヤ , 草川拓弥   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時

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