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sideT. 27-6 ページ31

*



俺はそれを言わせないようにする努力さえしてなくて、ただAをどうやって自分の元に置いておくかって事しか考えてなくて、俺の言う事聞いてりゃいいって……俺の傍に居させる事しか考えてなくて……





……本当のAの幸せなんて考えてなかった。



わざとじゃないにしても、結局自分の利益しか考えてなかった俺は、


「Aは俺を好きじゃない」


ここで初めてAの幸せを考えた。

Aの為に出来る事って多分これくらいしかない。


「えっとそれは……」

「Aには他に好きな奴がいる」

「……」

「俺とAの関係はそんなに深いもんじゃない」

「……」


それでもAの好きな相手が"佑亮"だって事まで言えないのは、俺は未だに自分の事しか考えてないのかもしれない。

だけど癪に障ると思うのは正直な気持ち。

このまま"佑亮"に掻っ攫われるのを黙って見てるほど、Aへの気持ちは軽いもんじゃない。


「けど俺があいつに惚れてる」


俺を見ている"佑亮"の目が少し見開き、そして鋭い眼光に変わる。

本当は決まってるこの勝負の勝敗を、"佑亮"は未だに分かってないらしい。


「Aを手放すつもりはない」


俺が吐き出すその言葉に、素直に眉を寄せる"佑亮"が羨ましく思う。




*

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設定タグ:超特急 , タクヤ , 草川拓弥   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時

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