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sideT. 27-2 ページ27
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"佑亮"が俺に会いに来る事も、その時に言うであろう内容も予想はしてた。
だけどそれに対しての答えは用意していない。
……っていうより用意出来なかった。
いくら考えても正しい答えを見つけられなかった。
問題なのは本当の事を言うか嘘を吐き通すかって事で、それによって出てくる被害や状況を考えるとどれが正しいのか分からなかった。
俺個人としては「付き合ってる」と嘘を吐き通したい。
でもAの事を考えると、本当の事を言ってやるのがいいんだって分かってる。
自分の利益を考えるか、惚れた相手の事を考えるか。
それは相当難しい選択でどうすればいいのか分からない俺は、
「お前に関係ねぇだろ」
こうして曖昧な言葉で誤魔化すしかない。
出来ればスルーしたい質問に完全に逃げ腰になる。
「関係あります。俺、Aが好きなんで」
……うざいとしか言いようがなかった。
この真っ直ぐさが鬱陶しくて仕方なかった。
Aだと純粋で誠実だと思うそれも、"佑亮"が魅せてくるとまた違った印象になる。
でもそれは"佑亮"の真っ直ぐさが鬱陶しいんじゃなく、それが向けられてる相手がAだからって事は百も承知。
Aを好きだって気持ちは、口に出さなくても俺だって真っ直ぐにある。
だから俺には今ここで"佑亮"に負ける訳にはいかない。
"佑亮"がAを好きだって口に出した時点で殆ど勝敗が決まったこの勝負も、俺は絶対負けられねぇから、
「でもお前が振ったんだろ？」
"佑亮"を責める言葉を吐き出す。
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作者名：ピカ
| 作成日時：2016年6月16日 0時
