不機嫌なダーリン。14 (ページ24)

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何で振りじゃなくちゃんと付き合わなかったんだって過去の自分を悔いる俺に、

「あの……」

Aはおどおどした感じで口を開く。

心臓が痛い。

頼むから「終わり」なんて言い出すんじゃねぇぞ。
俺にはこれから色々と計画が──…

「あ、あたし、本当にキスするのは嫌じゃないからっ」

「…………は？」

予想外のAの言葉に俺から出た言葉は吃驚するくらいすっ呆けた声で、その声にAの顔が茹蛸みたいに赤くなる。

Aが何でこのタイミングでそんな話をし始めたのか全く理解は出来ないが、

「だか、だから、よ、夜の事は……気にしないで……」

どうもずっとあの事を気にしてたらしい。

「分かった」

そう返事した俺にAの視線が向けられ、真っ赤な顔して俺を見上げるその顔に抑え込んでた欲望がまた沸き上がってくる。

「あ、あのね？」

「ん？」

「あた、あたし、本当に草川先輩とキスするの嫌じゃないか、」

「お前さ」

「う、うん？」

「今俺とキスしてぇんだろ」

「な、なにそれ！」

そう反論するAの顔は更に赤く染まっていく。

手に取るように分かるその心情に自然と笑みが零れてしまう。

*