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sideT. 25-6 ページ16

*



俺がそれを断れないって分かってて言ってんじゃねーのって思いながらも、俺の口からは「……ん」って返事しか出てこない。

「ふざけんな」って言えない俺は、結局Aに良いように扱われてるのかもしれない。


「でも……、それ以上は出来ない」

「……分かった」


Aの出す声はどこまでもか細くて、それに対する俺の返事は果てしなく低い。


「で、でも草川先輩が嫌だとかそういうんじゃなくてっ」

「……」


言われてる言葉は嬉しい言葉のはずなのに、今のこの状況じゃただ俺を"慰め役"に押し留める為だけの言葉に聞こえる。

けど。



「……そこまで身代わりになりたくない……」


……その言葉の意味だけは、はっきり言って理解に苦しんだ。



身代わり?

俺が?
お前が?


身代わりになりたくない……?


誰の身代わり?

……なんだ?


「お前、」

「って言うか!」

「……」

「……なれない……」


遮られて黙った俺に聞こえてくるのはやっぱり意味不明を継続する言葉。

言うだけ言って目を伏せるAに浮かぶ疑問は相当なもんで、マジでこいつ何言ってんだって不思議に思えて仕方がない。



*

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設定タグ:超特急 , タクヤ , 草川拓弥   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時

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