検索窓
今日:12 hit、昨日:23 hit、合計:352,965 hit

sideT. 25-4 ページ14

*



そうしてるって意識がない訳じゃない。

でもそれはまるで夢でも見てるかのようにぼんやりとした意識の中にあって、リアルに感じるのはAの熱だけで自分の動きにリアルさがない。



……とは言いながらも、本当は心のどこかにイケるかもって期待はある。


こう何度も俺にキスされて、それを嫌がらずに受け入れるAに対して……ほんの少しだけ俺に気持ちが向いてるんじゃねーかなって、そんな期待をしてしまう。


だからこうして衝動を行動に移す訳で、マジで無理だと思ってるならこの衝動は抑え切れるはず。

結局俺がこうしてるのは、完全には抑えようとはしてないからで──…



「……草川先輩……?」


唇を離すとAがそう呟き、その声を聞きながら俺の右手がブラのホックを外した。

再び重ねる唇から自分でも驚くほど熱い息が漏れ、興奮が引き起こす体温の上昇に更に欲望は煽られる。

もう既に頭の中に"止める"って選択肢はない。
つーか最初からそんなもん無かったのかもしれない。


「ヤバい」って警告もなければ、「止めろ」って忠告もない。


ただただ真っ白の頭で求めるのはAだけで、この手で抱いて溺れさせてやりたいって事だけが頭にあって──…






だけど。





「……やだ……」



小さく震えたその声に理性が一気に覚醒した。



*

sideT. 25-5→←sideT. 25-3



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (119 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
648人がお気に入り
設定タグ:超特急 , タクヤ , 草川拓弥   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。