sideT. 25-4 ページ14
*
そうしてるって意識がない訳じゃない。
でもそれはまるで夢でも見てるかのようにぼんやりとした意識の中にあって、リアルに感じるのはAの熱だけで自分の動きにリアルさがない。
……とは言いながらも、本当は心のどこかにイケるかもって期待はある。
こう何度も俺にキスされて、それを嫌がらずに受け入れるAに対して……ほんの少しだけ俺に気持ちが向いてるんじゃねーかなって、そんな期待をしてしまう。
だからこうして衝動を行動に移す訳で、マジで無理だと思ってるならこの衝動は抑え切れるはず。
結局俺がこうしてるのは、完全には抑えようとはしてないからで──…
「……草川先輩……?」
唇を離すとAがそう呟き、その声を聞きながら俺の右手がブラのホックを外した。
再び重ねる唇から自分でも驚くほど熱い息が漏れ、興奮が引き起こす体温の上昇に更に欲望は煽られる。
もう既に頭の中に"止める"って選択肢はない。
つーか最初からそんなもん無かったのかもしれない。
「ヤバい」って警告もなければ、「止めろ」って忠告もない。
ただただ真っ白の頭で求めるのはAだけで、この手で抱いて溺れさせてやりたいって事だけが頭にあって──…
だけど。
「……やだ……」
小さく震えたその声に理性が一気に覚醒した。
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時