不機嫌なダーリン。14 (ページ13)

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sideT. 25-3 ページ13

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嘘の既成事実は既に出来上がってて、なのにAは俺のモノにはなってないから。

あるのはただ非情な関係なだけ。
俺にとっては自分で自分の首を絞めるような関係。

……でも。

「痛いじゃんか！」

「は？」

「優しく下ろしてよ！」

「知るか」

ベッドに倒れ込んで文句を言ってくるAを見つめる。

俺の視線に、Aの視線が絡んでくる。

さっきまで半分しか開いてなかったその目は、今じゃしっかりと俺を見据え逸らされる事はない。

手を伸ばせば届く距離にいるAに実際に手を伸ばすと、Aの体が少しだけ揺れる。

ピクンと反応したAにゆっくりと顔を近付けていく俺の頭は既に真っ白になり掛けていた。

唇が重なると同時にAの両腕が俺の首に巻き付いてくる。

もう当たり前になったその行動も、今はいつもと違う状況の所為でやけに胸が鳴る。

真っ白になり掛けていた頭は、唇を重ねるたびに完全に真っ白になっていく。

優しく丁寧にと意識していたのは最初だけで、その行為に夢中になっているとは頭の隅で分かっていながらももう自分を止める事は出来なかった。

吐き出す息が熱を帯びる。

その息同様体も熱も帯びてくる。

求めてるのか求められてるのかもう分からないお互いの舌の動きに煽られ続ける欲望は、抑え切れない衝動を生んでいく。

角度を変えながら重ねる唇。
その動きに自然と手が動き出す。

服の裾から入れ込んだ手がAの背中を直接撫でる。

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