sideT. 23-7 ページ2
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人間は調子に乗る生き物で、一度イケれば何度でもイケると思ってしまう。
「んっ、……草川先ぱ……ここ、大学……、」
俺もその中の一人なのには変わりなく、一度イケれば何度でもイケると思う。
「嫌ならやめる」
「嫌じゃないけど、」
「なら目ぇ閉じろ」
Aとキスして以来、何度も唇を重ねるようになった。
会う度にって訳じゃねないけど、それでも殆どそうしてる。
場所なんてどこでもよく、大学構内だろうと関係なく。
中庭の死角に隠れAを抱き寄せ唇を重ねる。
Aに抵抗の意思は見られず、その腕を俺の背中に回してくる。
キスのやり方は様々で、軽いものも深いものもその時の気分次第で変えていく。
俺のキスに慣れてきたのが手に取るように分かる。
俺と同じ動きして、時には俺を驚かせる。
それでも主導権は俺にあって、これ以上はヤバいと思うと絶対に俺から離れる。
「……草川先輩、」
離れた唇から熱い吐息と共にAが吐き出すその言葉は、
「明日、この間言ってたサークルの飲み会」
嫌な事を思い出させる。
何でこのタイミングでその話してくんだってまたイライラし始める俺に、
「だから明日は……」
そこで言葉を止めたAが、何を言いたいのかが分かった。
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年6月16日 0時