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「用ってなに」
「え？なに？」
「用ってなに」
「よ、用事……を思い出して、」
「一緒に飯食う日じゃねーのかよ」
不機嫌を継続したままそう言った草川先輩の言葉に、一瞬何の事か分からなくてポカンと見上げる事しか出来ず、
「お前が言ったんだろ、一緒に飯食う日だって。それ以外に用があんの？」
続けられた言葉に、ようやくその事を思い出した。
あんなのただの思い付きで無理なら無理でいいと思ってて、草川先輩が嫌がってたから無理だろうなって思ってて……
でもそういう事言うから……
「……ねぇ、あたしにして欲しい事ある？あたし、草川先輩に何したらいい？」
思わずそんな言葉が出た。
さっき思ってた事が、口から自然と零れ出た。
その言葉に一瞬、困惑した表情をした草川先輩は、すぐに表情を戻す。
あたしの言った事の意味が分かったようで、少しだけ多めに息を吸い込むと、
「特別なにも。今までのままでいい」
そう言ってあたしの頭に手を伸ばし──…
クシャッと撫でられたその手に、ほんの少し涙が出た。
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作者名：ピカ
| 作成日時：2016年6月1日 15時
