不機嫌なダーリン。5 (ページ9)

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そんなあたしが草川先輩をカフェテリアに呼び出したのは、「懐きすぎ」って言われてから3週間が経った頃だった。

1時間目が終わって出来た空き時間に打ったメールは、『カフェテリアで待ってる』ってだけの文。
草川先輩の予定を聞かないのは、聞いたら来てくれないって分かってるからで、

「……俺が次も授業あったらどうすんだよ」

カフェテリアの奥のテーブルに座ってたあたしに近付いた草川先輩は、開口一番そう文句を口にした。

「そしたら『授業ある』ってメールの返信してくれればいいじゃん？」

「……」

「って言うか、授業ないの分かってたし」

「……」

「何となく草川先輩の授業の取り方分かってるんだ」

「……」

「座らないの？」

「……」

草川先輩は終始なにも言わないで、あたしの向かい側に腰を下ろす。

今日も不機嫌さは健在で、纏ってるオーラはドス黒い。

「で？何か用？」

「注文しないの？」

座ってすぐに話を催促されたあたしが、メニュー表を差し出すと、草川先輩は少しだけ訝しげな顔をする。

「別に飲まなくても、」

「話、長くなる」

草川先輩がすぐに帰ろうとしてる事に気付いたあたしがそう言うと、草川先輩はメニュー表を受け取り店員を呼ぶ。

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