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ここにいたくない。
出来ればもう一瞬たりとも佑亮と女王を見たくない。
2人でいるとこ見たら気が狂うかもしれない。
頭に張り付いて離れないあのシーンは、絶対2人を見たら今よりももっと鮮明に思い出す。
「迎えに来てッッ」
『お前、いい加減にしろよ?』
「迎えに来てくれなきゃ死ぬ!!」
『あのなぁ、』
「絶対死ぬ!!」
『もう切るぞ』
「本当に死ぬからね!!」
『鬱陶しいぞ、お前』
「明日のニュースにあたしの名前が──…」
脅しを言い終わらない内に、電話はプチンと切れた。
でもそれは草川先輩が切ったんじゃなく、
「……電池……」
あたしの携帯の電池がなくなったから。
電話の途中で鳴ってたアラーム音をてっきり電波が悪いんだと思ってたあたしは、携帯の電池を確認してなくて──…真っ暗になった携帯画面を見つめながら、またシクシクと泣き始めた。
初めから迎えに来てもらえるのは無理だって分かってたけど、100億分の1くらいは期待してた。
帰りたいって気持ちは本当だけど、それよりも優しくして欲しかった。
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年5月30日 23時