【刀剣乱舞】君を、想う-2nd-【ブラック本丸】 (ページ2)

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後悔は絶対にしませんページ2

(こんのすけさんは、心配しているのですね。私が、皆さんを傷つけてしまうのではないか。壊してしまうのではないか。)

Aは少し考えてから、意を決したようにこんのすけに尋ねた。

「こんのすけさんは、どうして、朱里ちゃんに来てもらおうと思ったのですか？」

結果的には、自分がここに来てしまったわけだが、本来であれば、朱里がここに来るはずだった。Aはその理由がずっと気になっていた。
こんのすけは少し迷ったような表情を浮かべていたが、呟くような小さな声で話し始めた。

「救ってほしかったのです。皆さんの事を。また傷つける事になるかもしれない。私の我儘ですけど、それでも皆さんに笑ってほしい。その希望があるなら、それに賭けたいと思ったのです。」

「そう、だったのですね…」

彼らが抱える心の傷は、自分が思っているよりも深いのだと感じる。
想像することすらできない何かが、彼らを縛り付けている。そう思うと、胸が締め付けられるように苦しくなって、気付けば涙が零れていた。

「…えっ！す、すみませんっ！傷つけてしまいましたか…？」

こんのすけが心配そうな表情で、慌てた声を上げる。
Aは首をゆっくりと横に振って、頬をつたっている涙を拭った。

「…ち、違います。泣いてしまったのは、こんのすけさんが優しいと思ったからです。私は、ありがとうと思っています。たとえそれが間違いであっても、誰もそれを望んでいなかったとしても、皆さんに出会えた事、私は嬉しかったです。出会わなければ良かったなんて後悔は絶対にしません。」

「A様…」

「私も勝手ですね。でも、こんのすけさん。こんのすけさんは迷惑をかけてしまったと仰っていましたが、私は迷惑だなんて思ってないのですよ。私はずっとありがとうと言いたかったのです。」

Aは目尻に涙を溜めて、困ったように笑顔を浮かべた。

「あの、それは、私もいますか？…私も、会って良かったと思ってもらえているという事ですか？」

Aはきょとんとした表情を一瞬した後、優しく微笑みを浮かべた。

「はい。」

その言葉で何かが解けたように、こんのすけの黒い瞳からポロポロと涙が零れ始めた。
Aはあやすようにこんのすけを両手で包むと、背中を優しく撫でた。
それを遠くから見つめていた朱里と薊は、互いに顔を見合わせる。

「仕方ないから、しばらくそっとしておいてあげましょ」

短く唸るように薊が返事をする。

「あら、ヤキモチ？」