兄と弟３

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side望



｢おはよー。流星は？｣



望｢もうすぐくるよ。｣



流星のクラスメイトの康二が毎朝迎えにくるようになって、学校まで3人で登校してる。



康二は年上やけど、呼び捨てでいいよって言うてくれた。



……康二が、この学校で唯一できた友達。



流｢今日もお昼いっしょにあそぶ？｣



望｢……ううん、今日はいい。｣



康｢そっかー。残念やけど、のんちゃんも同級生と遊びたいよな。｣


1年生と4年生は校舎が違うから、途中で別れないといけない。


バイバイした後、楽しそうに話しながら教室に向かう2人の後ろ姿をみると



ずーんって気持ちが沈むねん。



僕も流星と康二と同い年ならよかったのに…。



重たい足取りで自分の教室に入ったら、いきなりボールが頭に飛んできてびっくりした。


望｢痛っ……｣



｢そんくらい避けろよノロマ〜！｣



頭を抱えた僕を見て、最近やたらちょっかいをかけてくる男の子たちがどっと笑う。



教室でボール遊びなんて信じられへん。



絶対アカンやん。



黙って自分の席について、授業の準備をする。



大人しそうな子達に勇気出して話しかけてみたこともあったけど、


みんな同じ幼稚園出身で親同士も仲良くて、話についていけなかった。



望｢……はぁ。｣



学校始まってからまた毎朝お腹が痛くなる。



でも淳太たちには心配かけたくなくって、クラスに友達できたって嘘ついた。



よかったやん、安心したわ、って喜んでる姿みて泣きそうになったけど我慢した。



流星は本当に楽しそうなのが羨ましいし、



取り残された気がしてすごく寂しい。



ランドセルにつけてる流星とお揃いのイルカのキーホルダーを取って、ポケットに入れて握りしめる。



今はこれが僕のお守り。



4月のクラス替えまでやから、って自分に言い聞かせて



今日も頑張る。

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