兄と弟３

#22 ページ22

side淳太



望｢ぼくは、がんばっても淳太みたいに出来ひん“失敗作”やったから…しかたないねん。



でも流星は、なんも悪いことしてへんのにっ…｣



のんちゃんの本音を思いがけず聞くことになるとは思わんかった。



当時も感じてはいたけど、のんちゃんは思ってた以上に俺にコンプレックスを抱いてたんやな…。



流｢…ううん。りゅうのせいでオカンは不幸になったんやって。



どうしてかは…わからんけど、なんか嫌なことしたんやと思う。



やから、りゅうは悪い子やったの。｣



淳｢っ……。｣



2人は何も悪くない。悪いのは愛し方を知らない大人達。



そう言えたらいいけど、2人は自分に非があるからだと思うことで心を必死に守ってる。



だってそれを否定したら、愛されない自分を認めなくちゃならない。



怒らせる理由が何か自分にあるから。



良い子だったらきっと愛してくれるはず。



そう思うことで必死に気持ちに整理をつけようとしてる。



俺は流星とのんちゃんをまとめて抱き寄せた。



望｢淳太？｣



淳｢2人とも大好きやで。ホンマに、大好き。｣



いきなりで驚いた様子の2人の身体に痛いくらいぎゅって腕をまわす。



流｢…なんか悲しいん？りゅう達がいるよ。｣




こんな時も俺の事を心配そうに見上げてくる2人。




絶対、絶対にこの子らを幸せにしたる。



幸せにするから。

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