兄と弟３

#19 ページ19

side淳太


望｢照史の料理めちゃくちゃおいしい！｣



照｢オトンがそんなに得意ちゃうから自分で作るようになってん。｣



明るい雰囲気で夕食をとって、その後みんなでトランプで遊んで。



照史の怪我については練習試合で接触して骨折した、って情報は聞き出せたけど、


どこの骨とか全治何ヶ月とか、具体的な話になると照史はのらりくらりとはぐらかす。



照｢次は負けへんで〜！なぁ望、協力して淳太くん倒さへん？｣



淳｢堂々と不正しようとすんな。笑｣



望｢次はババ抜きやりたい！流星は何したい？｣



流｢……なんでもいい。｣



ケタケタ笑ってる照史を見て、流星は時折浮かない表情をみせてた。



流星だけじゃない。



明るく振る舞うのんちゃんも俺も、気がかりなことはきっと同じで。



だけど照史が言い出せない空気を出してるからなかなか聞けない。



……その怪我で、サッカーの最後の大会はどうなるのか。



照史がサッカーの話題を意図的に避けてるようにみえるから、余計に心配な気持ちが増していく。



照｢…流星、抱っこしたろうか？｣



流｢……大丈夫。｣



照｢そっか。｣



流｢………なんで、連絡できんかったん、｣



照｢ちょっと忙しかってん、ごめんな？｣



流｢………うん。｣



照史の怪我に1番ショックを受けてるであろう流星はいつもより口数も少なくなってもうてて、



そんな流星の様子に気付いてる照史も気にしてた。



……あー、嫌やこの顔色伺い合う感じ。



後でちょっと無理にでも話を聞かなあかんわ。

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