兄と弟２

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side流星


望｢あ、ありがとう…！｣



望は初めてみたいやけどちゃんと真っ直ぐボールが返ってきて、


それを望に蹴り返して。



何回もまた繰り返す。



これ、“パス”ってやつかな。



初めてサッカーボールでパスやった。



壁に蹴るよりなんか楽しい。



夢中になって無言でパスをし続けていると、シゲが様子を見にやってきた。



大｢おっ2人でやってるん？仲良くなったんやね。｣



望｢シゲ！流星めっちゃ上手！かっこいい！｣



望に褒められるとすごく嬉しくて



でも慣れてないからどうしたらいいかわからず黙ってしまう。



流｢………。｣



いっつもそうや。



虹色の家でも声をかけてくれた子何人かいたけど、



うまく返事できんくてちょっと黙ると怒って離れていく。



大｢流星、望はどうやった？｣



困ってるのに気づいたシゲが答えやすいようにそう聞いてくれた。



流｢……のぞむも、上手やった。｣



望｢え、ホンマに？嬉しい！｣



望はすごい喜んでて



それを見てると心臓のあたりがじんわりあったかくなる。



流｢……………りゅうも嬉しかった、｣



にこにこしてる望につられて一緒にちょっと笑うと、



シゲがなぜか1番嬉しそうにして、わしゃわしゃと頭を撫でてくる。



大｢よっしゃ、俺もやる！混ぜてくれ！｣



望｢…なんかパソコンでカタカタやってなかった？｣



大｢もうええねん！仕事なんか知らん！おりゃー！｣



望｢あー！変なとこ飛んだ！｣



空がオレンジになるまで、今度は3人でボールを蹴り続けて走り回った。

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