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side照史
2日ぶりに実家に帰ると、
夕日に照らされながらベランダで煙草を吸ってるオトンの背中が目に入った。
照｢…ただいま。｣
｢……おお、おかえり。｣
男2人きりの家族の会話はそう多くない。
静かな家で、煙を吐き出すオトンの息の音がやけに聞こえてくる。
今までなんとも思わんかったのに、
ついさっきまで賑やかなあの家にいたから寂しいなぁと思ってしまう。
今回は金曜の夕方から日曜の昼過ぎまでゆっくり出来たけど
テストが終わればまた部活三昧の日々。
次に流星達に会いに行けるのは正直いつになるかわからん状態で。
照｢………。｣
別れたばっかやのにもう会いたいんやけどどうしたらいい？笑
荷物を置いて、料理が苦手なオトンに代わって台所に立つ。
ゴミ箱にはインスタント食品の容器ばかり入ってて
この週末のオトンの食生活が丸わかりやった。
……俺がこの家を出ていったら、オトンは1人きりになるんやなぁ。
オトンは食や健康に無頓着やから毎日カップラーメン啜るような生活になるやろう。
俺を引き取る前の生活に戻るだけ、なんて単純な話やない。
オトンは俺が成長した分だけ歳をとった。
あの頃のように、新しい家庭を作り直す若さはもうない。
祖父母とは疎遠やし、この先オトンの家族はずっと俺しかおらんと思うと堪らん気持ちになる。
俺がおらんかったらオトンの人生違ってたんかなって
俺邪魔やなって幾度となく考えたけど。
最近になってようやく、
オトンが俺のために、俺だけのオトンのままで居てくれたことに素直に感謝できるようになった。
そんなオトンへの1番の恩返しは、俺が幸せに生きることやと思うねん。
｢………照史。｣
オトンはこちらを見ないまま、俺の名を呼ぶ。
｢卒業したら、流星くんと暮らすんか。｣
風に乗ってオトンの煙草の匂いが鼻に届いた。
照｢…おん。そのためにも就職するつもり。
進学はせえへん。｣
｢……そうか。｣
オトンはそれきり口を噤んで、また煙草を燻らす。
俺もそれ以上何も言わないで、黙々とまな板の上の人参を切った。
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舞姫(プロフ) - そうなんですね！主様のペースで頑張ってください！流星くんが兄ちゃんに再会するところ楽しみにしています！ (2021年9月19日 13時) (
レス) id: bccfa4895b (このIDを非表示/違反報告)
うぇすと(プロフ) - 舞姫さん» ありがとうございます！私生活が少し忙しくて更新滞っていますが、頑張ります！ (2021年9月19日 11時) (レス) id: b247c4ea1c (このIDを非表示/違反報告)
舞姫(プロフ) - 兄と弟めちゃくちゃ感動します！面白くて大好きです！更新待ってます！ (2021年9月18日 20時) (レス) id: bccfa4895b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぇすと
| 作成日時：2021年9月8日 19時
