兄と弟２

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side照史



｢虹色の家｣と書かれた門の前で、もう何分立ち竦んでるんやろう。



門扉の脇にある呼び鈴を押すことが、どうしても出来ない。



会いたい。名前を呼びたい。



でも、俺なんかが今更流星に会っていいんやろうか。



照｢ホンマしょうもないわ俺…｣



うじうじと覚悟が決まらなくて立ち往生を続ける。



オトンにちょっと出かける、って言うた時に



察したオトンに背中をバンって叩かれて気合い入れてもらったのに、結局躊躇してしまう。



でも、園庭で遊んでる子ども達の賑やかな楽しそうな声が聞こえていて



雰囲気のいい場所なんやなって少し安心した。




きっとここなら流星は大切にしてもらえてるはず。



この声の中に流星はおるんかな。



……………やっぱり会うのは辞めとこう。



せっかく楽しく過ごしてるのに俺に会って色々思い出させてもうたらあかん。



大きくなった流星の姿をちょっとだけこっそり見て、それで帰ろう。



そう思って門扉に足をかけて、上から顔を出してそっと中を覗いた。



走り回る子、遊具で遊ぶ子、木陰でおままごとしてる子……



そのどこにも流星らしき姿は見つからんかった。



部屋におるんかなぁ…って頑張って背伸びしてみたけど中まではわからへん。



……しゃーない、諦めよ。



神様が今は会うなって言うてるってことなんや、きっと。



がっかりと同時にどこか安心してる自分の弱さに嫌気がさしながら



踵を返したときだった。

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