ある日の不調な小瀧さん

腹痛２ ページ7

side小瀧



(おかしい…。)



ライブの時にお腹を壊しやすい俺は、いつもよく効く薬を常備してて



それ飲んでちょっとすれば腹痛は治まってた。



でも今日は全く効かへん。



トイレに行っても何も出ないし、いつもとなんか違う……。



小「んー…。」



数日前から、お腹…というか胃の辺りが重たくて、食欲も落ちてた。



もやもやしたその違和感が急に痛みに変わっていった感じ。



照史が持ってきてくれた湯たんぽをあてると、少しマシになった気がするけど…。



ズキズキした痛みが断続的に襲ってくる。



時計をみると、開演時間が迫ってきていて。



そろそろ準備せな…。



よろよろと立ち上がると、心配そうな照史の視線とかち合った。



桐「まだ痛い？」



小「もうちょっとしたら薬効き始めると思う。」



へらりと笑ったけど、照史は一層眉をひそめてしまった。



桐「いけるか？」



小「やから、じきに薬効くから平気やって。」



ちらりと見えた会場モニターには、既に多くのファンが席についてるのが映ってて。



やる以外の選択肢、ないやろ。



痛みがいつもと違う不安を誤魔化して、俺は着替えに向かった。

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