いじめ7 ページ18
side神山
主人公は救われることなく、物語は終焉を迎えた。
ヘビーな感情を受け止めきれずしばらく立ち上がれなくなっているお客さんも多い。
楽屋に挨拶を、と確認したらやっぱりスタッフさんに止められてしまった。
でもこのまま帰るのも違うな、って思ってもうてん。
てなわけで、人目を盗んで侵入しちゃいました(笑)
前出演した作品で使ったことある劇場やったから裏ルートしってんねん。
のんちゃんの名札のある個人楽屋に行ったものの居らんくて、そのまま帰りを待つことにしたんやけど。
奥の大楽屋の方から何やら大勢の笑い声が聞こえてくる。
暗い作品やし、裏で共演者と楽しく過ごせてるんやったら良かったって思ったのも束の間
「触んな気持ちわりぃ(笑)」
たまたま聞こえた一言で、その笑いがタチの悪い方だと分かってしまった。
のんちゃんの声は聞こえてこない。笑い声と、罵声と、物がぶつかるような激しい音。
しばらくすると、解散したようで声は散り散りになっていった。
直後、バタンと勢いよく楽屋の扉が開いて、飛び込んでくるや否やその場にずるずるとしゃがみこんだのは、
神「……のんちゃん?」
当然、のんちゃんの楽屋なんやからのんちゃんしかいない。
俺に気付いてなかったみたいで、声に驚いて顔を上げたのんちゃんは
今にも泣き出しそうだった。
小「なっ、なんで、神ちゃ…」
神「へへ、来ちゃった。」
聞きたいことは山ほどあるけど、焦ったらあかん。
そう思っていつもの調子でニコッと笑いかければ、のんちゃんは苦しそうに顔を背けた。
ぐっ、と何かを押し殺すように胸元を握りしめて、身体を丸める。
小「ぅ…ふぅ…、…く…」
神「なんか差し入れ持ってくればよかったわぁ。」
少し近づけば、更に身体を縮こめて拒絶しようとする。
小「……ダメって言われてるやろ、用ないんやったら早く帰って」
必死に平然を装った声で、そんなん言われても痛々しいだけで。
神「ええやんか、ちょっとくらい。」
小「帰って、お願い帰ってって…!」
神「のんちゃん。」
傍によって、逸らし続けてる顔を無理矢理こちらに向ける。
それでも意地になって、目線だけでも逸らそうとするから
神「目ちゃんと見て、のんちゃん。もうええよ、もうええから。」
ゆっくり目と目が合う。
瞬間、のんちゃんの表情がぐしゃりと歪んで
涙が溢れ出した。
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うぇすと(プロフ) - 望都さん» ありがとうございます!ムラがありすぎて自分でも嫌になるんですが^^;できる時にポツポツ更新していきます! (2020年12月6日 17時) (レス) id: b247c4ea1c (このIDを非表示/違反報告)
望都(プロフ) - 更新ありがとうございます!作者様の書くお話が大好きなので、気長に更新待ってます(^^) (2020年12月5日 6時) (レス) id: 038a18eec7 (このIDを非表示/違反報告)
うぇすと(プロフ) - JWさん» すみません、気が向いた時にしか書けそうにないので、更新はいつになるかわからないです (2020年12月5日 1時) (レス) id: b247c4ea1c (このIDを非表示/違反報告)
JW(プロフ) - いつ更新しますか? (2020年9月21日 0時) (レス) id: 2da66f80ed (このIDを非表示/違反報告)
うぇすと(プロフ) - 弥生さん» ありがとうございます!気まぐれ更新ですがよろしくお願いします! (2020年7月9日 1時) (レス) id: 7db8e7d7c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うぇすと | 作成日時:2019年8月27日 2時