episode09 ページ10
「A、お前どうせ自分の無いんだろ？
1本くらいどうにかなるさ」
カッコよすぎかよばーかばーーーーか！
なんて心の中で悪態つきまくる。
素直に言ってやんない。
なんか悔しいから……
だから
ありがたく1口いただきます
『1人軽量化図ってんじゃねぇよとか思ってすみませんしたァァァ！
1口だけ貰うわありがとうネ』
といって1口だけ口をつけて返す。
「1人勝手に軽量化図ってんのはAだからな！？」
うへぇやっぱオカン……
にしてもやっぱり1年のブランクはそろそろきつい。
『まあとりあえず…先に待ってますネ！
…頂上で。』
でもカッコつけたいから走りきるよ、頂上まで……
軽くなった体を噛み締め、再びダンシングをする
今まで……ロードに乗るのを辞めてから…
どこか青みがかっていた世界…
でも今、総北のみんなと走って
幸せとジャージが私の視界を黄色く明るく照らし
その世界は鮮やかになった＿＿＿＿＿＿
『漆黒の羽を持つアゲハ蝶でも…こんな……
こんな…コト……思っていいのかな…？』
不意に漏れだした声に驚きながらも、
楽しいという感覚を思うままに表に出せる今を噛み締める
『喋れてるならもっといけるヨネ…！
もっともっと…速く、高くニ……！』
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作者名：nyanko | 作成日時：2023年1月3日 21時
