22話 ページ23
研磨以外の人たちも私たちの異変には気がついていて、深くは聞いてこなかったけど、どことなく気を遣わせてしまっている。
黒尾からこちらに何かアクションを起こす気配もないし、あぁ…こうやって友情は壊れていくのか、なんて悲しくなる。
私もいつの間にか謝るタイミングを逃してしまって、ついに明日から1週間の合同合宿が始まってしまう。
『…合宿にも持って行くけど、今日やり込んどかなきゃ。』
黒尾のことを考えないように、私は受験勉強に励んだ。
ただでさえ志望校も危ういんだ、空いている時間は注がないと。
志望校を決める時も私の判断は遅くて曖昧だったなぁ、なんて思い出したりしながら気づくと腹は朝の4時を指していた。
.
「なんか音駒空気悪くない?」
『き、気のせいだよぉ!』
次の日、いよいよ始まった合宿…なんだけど、
開始早々、菅原くんにそう言われて必死に誤魔化す。
ダメダメ、チームの雰囲気は明るくしなきゃ…!
「お前らいつものうるせぇ声どしたー!
お上りサンたちに負けるわけにはいかないでしょーよ!」
「なんだとこの野郎。」
「おっと、お上りカラスの主将さんこれはこれは!」
…黒尾は凄いや。
いつも通り、先頭を切ってチームを明るくできるんだから、これこそキャプテンに相応しい人なんだろうな。
私も私情は持ち込んでられない。
『……よしっ』
「…?
Aちゃん、目の下の隈凄いけど大丈夫…?」
『東峰くん…!
大丈夫だよ、ありがとね。』
「ならいいんだけど…」
「……。」
.
「フライング1周ー!」
梟谷に負けてみんながフライングをしている間にスポドリを用意していると、後ろから大きな手がニュッと伸びてくる。
「重たいでしょう、持ちます。」
『赤葦サン…
……や、大丈夫なんで、休んでて…』
「これ運んだら休憩行きますから。」
そう言ってサラリと全部持ってくれるから、もうなんか抗いようがない。
言っても聞かないだろうし、大人しく横をついて歩く。
「黒尾さんと何かありました?」
『エッ…とぉ、何もないっすよ…』
「フッ、わかりやすい人ですね。
俺でよければ話聞きますけど。」
『…大丈夫。
これは私の問題だから、自分で解決したい。』
「…でも表情は大丈夫って言ってませんよ。
心なしか顔色も悪いし…」
『ほんと大丈夫だから。
全部大丈夫!!』
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ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» あかーしがいいアクセントになって場をかき乱してくれることを祈りましょう…(?)ありがとうございます( ; ; )💖 (4月15日 23時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - ❤❤❤ (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回、赤葦くんが出てきて、これからどうなるかが、気になりますんで、これからも頑張ってくださいね。続き待ってるんで!!!!!応援してます (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» クローさん現実にいて落ちない女なんていないし、クローさん以上にリアコで罪な男いる?って思って私の勝手な妄想で書かせていただいているので、そんな風に言っていただけてとっても嬉しいです( ; ; )ありがとうございます🙏✨ (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - むのこさん» 大好きだなんて…🥹ありがとうございます( ; ; )💖 (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2024年3月25日 16時