20話 ページ21
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そして1回目の合宿は無事(?)終わり、続々と他の高校たちが帰って行く。
ふと視線をやると、赤葦くんと目が合うから慌てて逸らすけど遅かったらしい、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
サッ
「ちょっと、なんで隠れるんですか。」
『………黒尾何か言って。』
「えー」
少しだけ汗の滲む、でもなぜかいい匂いのする黒尾の背中にしがみつけば、黒尾は少しの間の後、口を開いた。
今朝の話の感じ、黒尾はまあ大体何が合ったか察しがついているだろうから、ここは私の気持ちを汲み取ってくれるはず、
「赤葦クンにはもっといい女いるはずよ?」
『オイコラテメェ』
「ほら、コイツ口も悪いし不器用さんだから
苦労すること多いよ〜?それでもいいの?」
『そんな私のことが好きなくせにお前!』
「そーだよ。」
『………え』
「だからまあ、要するに
コイツ、俺のだから他当たってもらえますかね。」
…黒尾なりのその場しのぎの言葉だって、わかってる。
でもさ…そんな風に思わせぶりなこと言われたら、私ってバカだから勘違いしそうになる。
よかった、黒尾の背中にいて。
多分今、顔見せられない。
「……。
人のことをもの呼ばわりするのはやめたほうがいいかと。
ましてや付き合ってもいないのに。」
「あ、そこ?
ウン、ソウダネゴメンナサイ。」
「でも俺、諦めるつもりはないんで。
Aさん」
『は、はい…』
「また2週間後会いましょう。
あ、いやそれまでに連絡します。
じゃ。」
それを最後に、赤葦くんの気配が遠ざかっていく。
少しだけ気まずい雰囲気の中、私が『ご迷惑おかけしました…。』なんて背中から離れれば、黒尾は「はぁ…」なんてため息をつく。
「モテる女は大変ですねぇ。」
『アンタだけには言われたくないんすけど。』
「じゃあ、そんなモテ男大先輩から一つ助言してやるよ。」
『誰もそこまで言ってない。』
「俺は好きな子以外からの告白はきっちり断ってんの。
じゃなきゃ、変に期待させるかもだし。
だからお前もさ、その気がねぇならハッキリ断った方がいいよ。」
『それはそうなんだけど…
…赤葦くん別に悪い人じゃないし、今後も関わりあるのに
ここで断って気まずくなるのも違うかなって。』
言ってから後悔した。
ハッ!と顔を上げれば、私を見下ろす黒尾の顔が何とも言えない表情に歪んでいたから。
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ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» あかーしがいいアクセントになって場をかき乱してくれることを祈りましょう…(?)ありがとうございます( ; ; )💖 (4月15日 23時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - ❤❤❤ (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回、赤葦くんが出てきて、これからどうなるかが、気になりますんで、これからも頑張ってくださいね。続き待ってるんで!!!!!応援してます (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» クローさん現実にいて落ちない女なんていないし、クローさん以上にリアコで罪な男いる?って思って私の勝手な妄想で書かせていただいているので、そんな風に言っていただけてとっても嬉しいです( ; ; )ありがとうございます🙏✨ (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - むのこさん» 大好きだなんて…🥹ありがとうございます( ; ; )💖 (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2024年3月25日 16時