19話 ページ20
「おはよ」
『〜ッ!
く、黒尾か…おはよう…』
翌朝、朝食の準備をしていると、早くに起きたのか黒尾が食堂に顔を出した。
誰かと思った…赤葦くんだったら、どんな反応したらいいかわかんないから。
「どしたの、浮かない顔して。
昨日あんま寝れてない?」
『いや、うん…まあそうかも…』
「悩み事?」
『…まあ、そんなとこかな。』
「なーんか煮え切らねぇなぁ。
話して楽になるなら、聞きますけど?」
近くの椅子を引いて座るなり、隣の椅子も引いてポンポン叩いてくるもんだから、一度作業を止めてゆっくりと腰を下ろす。
『……あのさ、黒尾って今までソウイウ目で見てなかった
女の子に告白されて、そのあとはどうしてるの。
普通に接してるわけ?』
「場合によるけど…
…なにお前、誰かに告られたわけ?」
『じゃあ、その女の子が食い下がったら?
今はそういう目で見てなくても、これからは意識してほしい
って言われたら?』
「なに、なんなの。
誰に食い下がられたのよあなた。」
『……別に私の話とは言ってないじゃん。』
「あーはいはい、そうですね。」
『いいから答えよ。
貴様はその場合、どう対処するのだ。』
黒尾は私に不審な目を向けつつも、悩む素振りなんか見せずに言った。
「それでも俺は断るよ。
こう見えてめちゃめちゃ一途なんで。」
『そっか、黒尾はそうだよね。
……え、なに好きな人いんの?あんた。』
「……。
ほら、バレーボールという恋人がいるので。」
『…それ自分で言ってて悲しくならない?
なんか可哀想。』
「可哀想じゃないですぅ〜!
相思相愛なんで〜!ナメないでもらっていいですかぁ?」
『ムキになるなよ、ますます哀れだ…』
「なんだとこの野郎、」
「朝から仲がいいですね。」
ピシッ
背後から聞こえた声に、私の全筋肉が硬直する。
席を立ち上がるより先に、背後から顔を覗かれて「おはようございます。」なんて挨拶をされる。
『……オハヨウ、赤葦クン。』
「何か手伝うことありますか?」
『あ…えと…大丈夫、デス…』
「何かあったらいつでも言ってください。」
『ハイ…アリガトネ…』
赤葦くんはそれだけ言うと、そのまま梟谷マネちゃんズの元へと行く。
…距離近かったのはわざと?
あの男…侮れんな。
「…ナルホドね。」
『なによ。』
「いーや?
ただ…俺もナメられたもんだなぁと思って、さ。」
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ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» あかーしがいいアクセントになって場をかき乱してくれることを祈りましょう…(?)ありがとうございます( ; ; )💖 (4月15日 23時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - ❤❤❤ (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回、赤葦くんが出てきて、これからどうなるかが、気になりますんで、これからも頑張ってくださいね。続き待ってるんで!!!!!応援してます (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» クローさん現実にいて落ちない女なんていないし、クローさん以上にリアコで罪な男いる?って思って私の勝手な妄想で書かせていただいているので、そんな風に言っていただけてとっても嬉しいです( ; ; )ありがとうございます🙏✨ (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - むのこさん» 大好きだなんて…🥹ありがとうございます( ; ; )💖 (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2024年3月25日 16時