15話 ページ16
……コイツ、今なんて言っ、た…?
聞き間違い…?
呆気に取られて言葉も出ない。
そんな様子の私に気づいて、黒尾は悪い顔で私を見下ろす。
「"ヤキモチ"妬いちゃったんだ?」
『なっ…!違………わない、けど…』
「くっ…ははは!素直かよ!」
『〜ッ!!
もう帰るからね!!!』
だけど黒尾はまだ私を通す気がないらしい。
睨み上げる私なんてお構いなしに、苦しそうに笑い続けてさ、もうこっちは恥ずかしすぎて死にそうなんですが?!
「だって…そんなん可愛いだろ。」
けど、次に黒尾が顔を上げた時には私をあまりに優しい顔で見てくるもんだから、揶揄うつもりで言ってないんだとわかって、顔に熱が溜まっていく。
『……彼女でもない女がそんなこと思って
気持ち悪いとか思わないわけ?』
「逆に俺がお前にそういう風なこと言ってきたら
気持ち悪いって思うのかよ。」
『思わない……や、ちょっとは思うかもだけど。』
「おい。
…ま、いいや。
……俺はさ、お前ならそういうの大歓迎よ。
まあ、あんま自惚れさせるような言動はやめていただきたい
けどねー。」
『…は?それどういう意、』
「つーわけで早く帰るぞ。」
『コラ!言い逃げか!!!』
でも、それ以上は追求できなかった。
髪の毛から覗く黒尾の耳が、ほんのり赤くなっているような気がしたから。
それをいつものように揶揄えなかったのは、きっと少しだけ自惚れてしまっているからだ。
その背中に追いついて横に並べば、いつもと同じように接してくれるけど、私はまともに顔を見ることができなかった。
"お前にその気がねぇなら、多分ないね。"
"……俺はさ、お前ならそういうの大歓迎よ。"
『……お前のことはやっぱわからん。』
「いだっ!その蹴りはやっくんの仕込みだな?!」
『アンタケツの位置高いんじゃ!
もっと屈め!!!』
「やだよ!!なんで!!!」
.
「どーしたの、暗い顔して。」
『暗い顔してた?』
「うん。何かあった?」
明日から梟谷グループでの合同練習第一弾が始まる。
テストも無事に終わって、補習は免れた…はいいんだけど
『…。
今日MTして練習だよね、ほら行こ。』
「あ、うん…」
…黒尾って凄い、出してなかったはずなのに私のバッドな空気を察しちゃうんだ。
"「うーん…成績は悪くないけど
このままだと第一志望は難しいね。」"
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ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» あかーしがいいアクセントになって場をかき乱してくれることを祈りましょう…(?)ありがとうございます( ; ; )💖 (4月15日 23時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - ❤❤❤ (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回、赤葦くんが出てきて、これからどうなるかが、気になりますんで、これからも頑張ってくださいね。続き待ってるんで!!!!!応援してます (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» クローさん現実にいて落ちない女なんていないし、クローさん以上にリアコで罪な男いる?って思って私の勝手な妄想で書かせていただいているので、そんな風に言っていただけてとっても嬉しいです( ; ; )ありがとうございます🙏✨ (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - むのこさん» 大好きだなんて…🥹ありがとうございます( ; ; )💖 (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2024年3月25日 16時