1話 ページ2
a.m5:30
マネージャーの朝は早い。
寝ぼけた頭のまま通学路を歩き、電車に揺られて、ようやく辿り着く学校。
そのまま体育館へ直行して鍵を開けておいてから、ジャージに着替える。
「おはよ」
『おはよぉ』
「眠そうですね」
『ん〜…まぁね…』
私の次、もしくはいつも最初に来ているのはキャプテンの黒尾。
ここからみんなが来るまで、大体15分くらいはあるから、2人でゆっくりネットを張ったり、ボールを出したりする。
誰もいない、私たち2人だけの静かなこの時間が結構好きだったりする。
「課題ちょっとだけ終わってねぇんだよなぁ。」
『あら、珍しい。』
「お前古文得意だろ?
あとで教えてくんね?」
『海くんの方が得意だけど、私でいーのかい?』
「うん、お前がいい。」
クソッ…またそうやって思わせぶりなことを…っ!
この時間が好きなのは他でもない
私が黒尾のことを意識しているからだ。
この時間だけは2人きりでいられるという優越感と、黒尾は別に何とも思ってないんだろうな…という少しのネガティブ思考も持ち合わせて。
「あ、研磨起こすの忘れてた。
ちゃんと起きてっかなアイツ。」
『今からでも電話したら?』
「いや…たまには信じてやらねぇと可哀想だ。」
『それで起きた試しないじゃん…
研磨も、もう自分で起きる気ないんじゃない…?』
そう言って2人でクスクス笑う時間も好き。
朝の冷たい水に手を打たれながら、2人でドリンクを作って、それから体育館へ戻れば一年生たちがせかせかと準備と体操をしていた。
こっちの存在に気づくとすぐに立ち上がって挨拶をすると、私たちの手にあるスポドリを奪ってくる。
『いいよいいよ、練習しな。』
「オネーサン、俺はぁ?」
『お前は働け、キャプテンだろ。』
「そうっすよね!俺キャプテンっすもんねぇ!!!」
「黒尾さんって普段お父さんみてぇに頼りがいあるけど
Aさんといると、急に尻に敷かれるよな…」
「夜久さんが言ってたけど、あれ自分から尻に敷かれに
行ってるらしいよ…」
「ほんと仲良いよな…なんで付き合わねぇんだろうな。」
「お前らー、聞こえてんぞー。」
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ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» あかーしがいいアクセントになって場をかき乱してくれることを祈りましょう…(?)ありがとうございます( ; ; )💖 (4月15日 23時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - ❤❤❤ (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 今回、赤葦くんが出てきて、これからどうなるかが、気になりますんで、これからも頑張ってくださいね。続き待ってるんで!!!!!応援してます (4月8日 16時) (レス) id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 黒尾ファンさん» クローさん現実にいて落ちない女なんていないし、クローさん以上にリアコで罪な男いる?って思って私の勝手な妄想で書かせていただいているので、そんな風に言っていただけてとっても嬉しいです( ; ; )ありがとうございます🙏✨ (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - むのこさん» 大好きだなんて…🥹ありがとうございます( ; ; )💖 (4月2日 13時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2024年3月25日 16時